2025.7 台湾旅行記~その①~

台湾の朝市での買い食いが最高だった話と、鹿港が台湾らしい街並みで最高だった話

2025.7.18

 さて、今日から21日まで、3泊3日の台湾旅行がいよいよ始まる。乗るのは21時05分関空発、23時台北着のフライトだ。今回訪れる予定にしているのは、台北、九份、十分、鹿港、台中である。同行者は、かつて石垣島やグアムなどで、狂気のギチギチスケジュールの旅を共にしたS氏である。トラブルがつきものの海外旅行において、常にギリギリを生きるS氏が同行者というのは大変心強いものである。しかも、私は昨年にも一度台北、九份、十分を訪れている。台湾のことは知り尽くしていると言っても過言ではない(過言だ)。よって、私は今回の旅を東京か沖縄に行くような気持ちで捉えていた。完全に舐めプである。大した事前準備もせず、国内旅行1泊2日のような荷物で空港に向かった私は、同じような荷物量と心構えのS氏と、無事合流することができた。

 その後搭乗までの手続きは問題なく進んだ。フライトの出発時刻が40分遅れるというハプニングはあったものの、前回の台北行きのフライトも1時間遅れたので、この程度は想定内と言えた。

 さて、無事台北に到着したのは23時40分頃。空港内で、私は現金の両替をし、S氏は海外キャッシングで台湾ドルをゲット。無一文からの脱却である。そして、オンライン入国カードの入力がどうやら必要であることが判明したため、入力しながら出国審査の列に並んだ。去年台北に訪れた時は、確か飛行機内で紙の入国カードが配られ、それに記入したような気がする。台湾政府が今年10月から入国カードの完全オンライン化を目指しているらしく、それで飛行機内で配られなかったのかもしれない。今日はこれから台北市内のホテルへ向かい、1秒でも早く就寝することが、我々に課せられたミッションである。この時間はもう電車もバスもなく、移動手段がタクシーしかないため、恐ろしく長いタクシー待ちの列に並ぶしかなかった。今日泊まるホテルには、オプションで空港までの有料送迎を付けていたのだが、予約してくれたS氏がホテルに問合せメールを送っても詳細の返事が来ず、空港ロビーにもそれらしきスタッフは見当たらず…。やはりこれが海外のデフォルトなのであろうか。ともあれタクシー待ちの列に並んだが、タクシーは今が稼ぎ時とばかりにどんどんやって来るので、列の進みはそう遅くはない。ちなみにS氏は、SIMカードの使用開始でトラブルがあり、外貨両替のあたりからずっとサポートセンターとやり取りしていたようであるが、タクシーに乗る前に解決し、無事にネット環境に繋ぐことが出来たようである。海外旅行はパスポートと金とネットがあればできるが、逆にどれがが欠けると詰むので、解決できて本当に良かった。

▲安いのに綺麗でそこそこ広いホテル

 初日のホテルは立地と値段の安さで選んだが、室内は綺麗で、バスタブもあった。雙連朝市で朝ごはんを買いたいためだけに選んだが、入口が分かりにくい以外は良いホテルだと思う。MRT 雙連駅にもすぐに行けるのも良いところだ。フロントスタッフは英語が分かるし、こちらがあんまり理解していない様子を察して、部屋の前まで一緒に来てくれて、鍵の使い方を教えてくれたりもした。

 部屋に入り、2人ともシャワーを終える頃には既に深夜2時半頃になっていたが、明日もタイトなスケジュールが待っているため起床は7時だ。興奮で目が冴えてしまうものの、なんとか眠りについたのだった。

2025.7.19

 朝7時、当然のように寝不足の我々は、怨嗟の声を上げながらアラームに叩き起された。2時間も眠れたかどうか…というところだ。もっと寝ていたいところだが、ホテルから徒歩2~3分の所にある雙連朝市に朝ごはんを調達しに行く。台湾では朝ごはんを外食する文化があるので、それをやってみようという訳である。

 雙連朝市は、車1台がなんとか通れそうな幅の道路の両側に、お惣菜や青果、肉、魚などの屋台がずらりと並ぶ場所だ。肉屋では、大きな塊肉やホルモンがぶら下がっていたり、カットされた肉がトレイや大皿の上に並べられていたりしている。日本の衛生面完璧なスーパーの肉売場にはない風情を感じられて面白い。フルーツは、日本では見たことの無い種類のものがたくさんあるので、特に見ていて面白い。レッドピンクの色をした鮮やかな見た目のドラゴンフルーツや、緑色のイボイボに覆われた巨大な謎のフルーツ(後で調べたところ、菠蘿蜜というらしい)、バナナや巨大スイカが地面に直に並べられていたりする。お惣菜も豊富で、我々は色々な屋台から少しずつ購入していくことにした。

 最初の屋台で購入したのは、肉圓(バーワン)と焼売である。肉圓とは、豚肉などの餡をさつまいもや片栗粉の皮で包んで蒸したもので、千と千尋の神隠しで千尋のお父さんが食べていた謎のぶよぶよではないかと言われている。食べた感想としては、餡に対しぶよぶよの割合が多く、ぶよぶよだけを口いっぱいに頬張ってモッチャモッチャしている時間はちょっと辛いかなというところだ。
 一方、焼売の方はとても美味しかった。餡はほのかにエビの味がして、日本のものより塩気が効いている。屋台の人がソースもかけてくれたが、そのソースもなかなかいける。他には、煮卵とピリ辛豆腐を買ったり、葉っぱに包まれた謎の食べ物を買ってみたり、アヒルを香ばしく焼いたものを屋台で購入した。
 煮卵と豆腐は癖のない味付けで美味しく、アヒルはソースがいい仕事をしており、大変美味だ。S氏曰く、高級中華の味である。
 さらに、世紀豆漿という朝ごはん専門店で豆乳と肉包(肉まん)を購入した。台湾の朝ごはんは豆乳が定番で、さらには甘いことが多く、私が買ったものも甘い豆乳だった。こってりしたお惣菜ばかり買ってしまったので、冷たくて甘い豆乳があるのはかなり助かった。肉まんも、日本のものより塩胡椒の効いた餡とふかふかの皮でとても美味しい。
 葉っぱに包まれた食べ物は、中に黄色のゼリーが入っており、どうやら愛玉子というらしい。台湾固有のクワ科イチジク属の植物である愛玉子の種子を、水の中で揉むことによってできるゼリー状のデザートだそうだ。ソースなしで食べた場合、S氏によると、レンチンご飯を放置した時の固くなった部分の味がするとのことだ。

 台湾の朝市で気になったものを色々買うという、台湾旅行の醍醐味を初日から味わうことができ、大変満足である。戦利品はホテルに持ち帰り、クーラーの効いた室内で食べた。

 朝ごはんを食べた後は、土日のみ開催される建国假日玉市へ向かう。MRTの大安森林公園駅と忠孝新生駅が最寄りである。雙連駅から大安森林公園駅までは乗り換え不要で行けるため、今回はそちらから向かった。

 建国假日玉市は、建国假日花市とセットになっており、高架橋の下にある市場である。ちなみにこの高架橋下のスペースは、平日は駐車場として運用されているらしい。

 大安森林公園側から行く場合、まず通るのが花市の方である。通路の両側に花や観葉植物を売る店がずらりと並ぶ。中には日本では見かけない珍しい植物があって面白い。

▲建国假日花市
▲金狗毛
▲沈香木
▲ヒルデウィンテラ・カラデモノニス

 金狗毛という、金色の繊毛がびっしり生えたワラビ科の植物(和名はタカワラビというらしい)や、緑色の長い猫の尻尾みたいなサボテン(ヒルデウィンテラ・カラデモノニスというらしい)、さらに水沈香という香木を扱う店もあった。

 水沈香はおそらく沈香のことで、香木が水に沈むことが名前の由来らしい。ちなみに沈香の香木が生まれるには少し複雑な過程が必要で、沈丁花科の樹木が菌に感染することで樹液の成分が変質し、芳香を放つ香木になるそうである。

  ほかにも、鹿角蕨(ビカクシダ)という鹿の角にそっくりなシダ植物をを扱う店や、ハンギングプラントやエアプランツ、ミニサボテンなど、インテリア植物を売る店、さらには値段の書いていない盆栽を売る店もあり、植物が好きな人がいたらオススメしたいスポットであった。

 花市を抜けると今度は玉市が広がっており、所狭しと並べられたテーブルに翡翠などの玉やアクセサリーが陳列され、店主と客が向かい合って座って、何事か交渉している様子だった。玉の価値を見極める術など持たない私は「きれい…」と思いながら眺めて回るだけだったが、磨く前の瑪瑙と思われる玉や、繊細な細工が施された仏像やアクセサリーなど、目を楽しませるものは多かった。
 市場の雰囲気もローカル感があって良かったと言えるだろう。

 バスの時間があったので早々に市場を後にし、忠孝新生駅からMRTで台北へ向かう。台北のバスターミナルで鹿港行きのバスのチケットを購入。バスターミナルの場所や、チケットを買う窓口が分からず若干迷走したが、無事に10時40分発のバスに乗り込むことができた。

 鹿港は台中にある街で、行き方は何通りかあるが、直通バスに乗るのが楽でおすすめである。直通バスの場合、3時間~3時間半で到着となり、我々は14時頃に鹿港に着いた。

 鹿港は、台湾人が好きな老街(古い町並み)ランキング1位らしく、赤レンガの壁と瓦屋根を特徴とする伝統的な閩南(びんなん)式建築の街並みが美しい街だ。九曲巷という曲がりくねった路地や、摸乳巷という、人がすれ違うのが難しいほど細い路地は、観光名所として有名である。しかし注意しなければならないのは、街全体が閩南式建築で統一されているわけではないということだ。普通の現代の街並みの中に、九曲巷や摸乳巷が点在しているのである。そのため、歴史的な街並みの部分は素晴らしくて見る価値があるのだが、「なんというか惜しい…」という感想を抱いてしまった。

▲九曲巷
▲摸乳巷

 街歩きには少々暑すぎた気温も相まって、九曲巷と摸乳巷を見たあと、我々はいったん涼しい図書館に避難した。図書館の蔵書はもちろん全て中国語のため、何が書いてあるかは分からないが、ライトノベルの表紙イラストと漢字の雰囲気から、内容を勝手に想像する遊びをして楽しんだ。「輪廻」とあるのはきっと異世界転生のことだろう。日本でも今流行っているやつである。あとは、スペースは小さいが、日本人作家のコーナーもあった。

 十分に身体が冷えたところで、芸術村と天后宮を目指すことにする。芸術村は、バロック様式と閩南建築の要素を融合させた日本式の宿舎群で、1棟ごとに現代アート作家の作品が展示・販売されている。粘土細工の展示と竹細工の展示を少し覗いて見たところ、三国志をモチーフにした人形があったりする一方、任天堂に訴えられそうなキャラクターをモチーフにしたものがあったり、店舗によってはDIY体験ができるところもあるようだった。先にも述べたように、建物の雰囲気は日本式のため、あまり台湾らしい風景ではないが、雑貨屋巡りが好きな人にとっては楽しいかもしれない。

 芸術村を後にし、天后宮を目指す途中、あまりの暑さにかき氷屋に入店した。マンゴーのドライフルーツがのったかき氷と、いちごのスムージーを購入。あんなに暑かったのに、食べ終わる頃には身体は冷え切り、舌がかじかんで呂律が回らなくなっていた。

▲暑すぎて大量に注文した氷菓

 さて、天后宮に向かう途中で、細い通路の両側に閩南建築の建物が立ち並ぶエリアに出た。ここでは、古い赤レンガの建物の内部をリノベーションして、そのまま店舗として使われているようだった。現代風の建物は一切なく、閩南建築で完全に統一されている。さらに、土産物屋やアクセサリーなどの雑貨屋、食べ物の屋台がずらりと立ち並んでいて、多くの人で賑わっていた。足元の道も赤レンガで舗装されていて雰囲気がある。古き良き台湾にタイムスリップしたようだった。鹿港で見たいと思っていた風景がここにあった。どうやら、我々が先程見てきた九曲巷や摸乳巷よりも、ここ埔頭街がメインストリートだったようだ。

 道中、ピータンを売っている店があって、試食したS氏によると、本格的な味わいらしい。あとは、カラスミを売っている店を見かけたが、大きな机にカラスミが2~3個並べてあるだけ…という、独特な商品ディスプレイだった。しかし、ここの店主のおじさんが日本語の発音が1番上手かった。しかも、後で調べたところ、ここのカラスミはとても安くて美味しいことで有名らしかった。

 天后宮に行く途中だったことも忘れ、我々は鹿港老街の散策に時間を費やした。台中市内に戻るバスの時間があったため、天后宮に行く時間は結局とれなかったが、昔の台湾の街並みを堪能できて満足だった。

 鹿港から台中市内までは、バスで1時間である。今日泊まるホテルは、台北から鹿港へ向かうバスの中で予約した、高苑商務ホテルというホテルだ。台中第二市場に近いホテルを選んだつもりだったが、実際歩いてみると徒歩10分ぐらいあったため、もっと近いホテルを選ぶべきだったかもしれない。しかし、室内や水周りの綺麗さは十分で、値段も安いため、寝るための場所としては申し分ない。ただ、部屋のドアの鍵を開けるのにかなりのコツが必要であった。鍵をどの位置まで回せばドアが開くのか、S氏が突き止めたおかげで事なきを得たが、S氏の鍵開けスキルがなければおしまいだった。

 ホテルに荷物を置いた後は、台中の夜市めぐりへ出発である。まずはホテルから300メートルほどのところにある中華路夜市へ。大通りの両側に屋台が並び、屋台ギリギリを車やバイクが行き交っていた。台湾らしいスタイルで面白いが、道の反対側に気になる店があったとしても、気軽に道を横断することはちょっと不可能だと思われた。

 次に、ここからさらに400メートルほど歩いた先の、一中街夜市へ向かう。ここは規模が少し大き目で、屋台形式の店のほかにも、カフェや雑貨屋の入ったビルが立ち並ぶエリアだ。ここで、台湾屋台グルメとして有名な大腸包小腸を購入してみたところ、これが大当たりだった。大腸包小腸とは、もち米の腸詰(大腸)に台湾ソーセージ(小腸)を挟んだ台湾式ホットドッグで、もち米の香ばしさとソーセージの甘さ&スパイシーさが最高である。いきなり当たりを引いて大喜びだった我々だったが、次の屋台で買ったグァバのカットフルーツは、我々の舌には全く合わなかった。味の薄い梨に青汁を振りかけたような味だった。2切れほど食べてみたものの、以降グァバの存在はなかったこととされた。

 一中街夜市を散策したあとは、市バスを乗り継いで早渓観光夜市へ向かう。台湾のバスは、まず時刻表というものがなく、路線図もややこしい上に、バス停で手をあげないと止まってくれない。台北のMRTにあたるものが台中では市バスにあたるため、観光の難易度は上がる印象である。早渓観光夜市は、広場に屋台が立ち並ぶスタイルで、食べ物の屋台の他にも、テキ屋や金魚すくい(メダカもいた)、駄菓子屋もあり、日本の夏祭りのような雰囲気だ。ここでは駝鳥の串焼きと、クランベリーとレモンのジュースを購入した。駝鳥はほとんど癖がなく、スパイシーな味付けが美味しくて何本でも食べられそうな味である。ジュースは、爽やかで甘酸っぱく、蒸し暑い台湾の夜市のお供にピッタリだった。

 最後に向かった逢甲夜市は、あまりにも遠すぎるのと、あまりにも疲れすぎていたことから、市バスで行くのは途中で諦め、Uberタクシーを利用した。S氏が使っていたUber、かなり便利そうなので、次の海外旅行から私も導入しておこうと思う。逢甲夜市は、台中で1番大きな夜市である。アパレルや雑貨、カフェやレストランなどが入ったビルがどこまでも続き、そのビルの前に並ぶ屋台もどこまでも続いている。ネオンやライトで街が輝いており、アメ村に屋台を並べたような雰囲気だ。散策していると分かれ道に何度か行き当るため、元いた場所に戻ってくるのはかなり難しいだろう。並んでいる屋台を見ていると、今まで行った夜市にあったものと全く同じ看板、ラインナップの店をちらほら見かけたので、経営元が同じなのかもしれない。最大規模と言うだけあって、見ていて1番楽しい夜市だった。ひととおり散策し、先程食べてみて美味しかった大腸包小腸と、羊肉と鹿肉の串焼きを購入した。大腸包小腸は味付けが選べたので、オニオンと黒胡椒のものにした。先程食べたものとはまた少し味付けが変わって美味しい。串焼きはクミンが振りかけてあって、スパイシーで美味しかった。そして誰もが、グァバのことはすっかり忘れ去っていた。

 逢甲夜市からホテルまでは、もう市バスなどに乗る気力は残っていないため、タクシーを召喚した。1日に夜市を4つはしごするという狂気的なスケジュールをこなし、足はもうパンパンだ。さらにホテルの鏡に写る自分の姿を見て、「こんなに太かっただろうか…?」と首を傾げる。きっと、ここのホテルの鏡は凸面鏡なのだろう。そうに違いない…。

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ABOUT ME

会社員&イラストレーター。

仕事が嫌なので、海外旅行で現実逃避するのがやめられない。
しかし海外旅行のためにはお金が必要なので、仕事もやめられない…。

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